日本人の心に長く刻まれてきた国民的アニメ「サザエさん」。
家族の温かい日常を描いた作品として長年愛され続けていますが、日曜日の夜に放送されることから、休みの終わりを連想させ、憂鬱になった経験がある人も多いと思います。
そんな「サザエさん」には数々の都市伝説が囁かれていることをご存知でしょうか。
中でも有名なのが「サザエさんの最終回」にまつわる話。
最終回の都市伝説には、サザエさんたちが海に帰るという衝撃的な展開を迎える話しや、さらに恐ろしい人食い族が生息する島に足を踏み入れてしまった話しまで・・・。
今回は、そんなサザエさんの最終回にまつわる、ちょっと怖い都市伝説を3つ紐解いていきます。
あくまでも都市伝説という観点で、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
最終回①サザエさん一家海に帰る
まず一つ目が、飛行機事故にあってサザエさん一家が海に帰ると都市伝説について紹介します。
こちらが最も有名な都市伝説のため、聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
物語はカツオが商店街の福引きで、なんとハワイ旅行を引き当てたところから始まります。
磯野一家は大喜びし、家族全員でハワイ旅行に行くことに。

そもそも福引きの当たりで、一家全員がハワイ旅行に行けるって相当太っ腹な企画ですよね。
待ちに待ったハワイ旅行当日。
飛行機に乗って出発しますが、乗った飛行機がトラブルにより制御不能となって海に墜落してしまう。
磯野一家は全員海に放たれ、そのまま海に帰ったというお話。
何となくオチは想像できると思いますが、海にまつわる名前がついているから、最後は海に帰るというものです。
では磯野一家は具体的に海で何になったのでしょうか。
・磯野波平→海の波
・磯野フネ→船(乗り物)
・フグ田サザエ→栄螺(貝)
・フグ田マスオ→鱒(魚)
・磯野カツオ→鰹(魚)
・磯野ワカメ→若布(海藻)
・フグ田タラオ→鱈(魚)
名前の通りではありますが、波平とフネに至ってはもはや生き物でも無くなっています。
余談ですが、海にゆかりのある名前になったのは、作者の長谷川町子氏が海を眺めながら漫画の構想を練っていたからのようです。

山を眺めながら構想を練っていたら、山にまつわる名前がついていたかもしれませんね。
この都市伝説についてはお察しの通りデマになります。
海に帰る以前の問題で、最終回に飛行機事故って悲しすぎますよね。
また、もし本当に海に帰る運命だったとしたら、他の親戚の人たちも名前が海にゆかりがあるため同じ運命になってしまいます。
このハワイ旅行に関しては、実は放送30周年スペシャルで実現していたのです。
1998年11月1日に放送された「ど~んと一家でハワイ旅行」で磯野一家は全員でハワイ旅行に行っています。
カツオが福引きで当てたのではなく、波平の勤続30年のお祝いとして会社からペアハワイ旅行をプレゼントされたのをきっかけに、結局は全員で行くことに。

都市伝説と同様に、本当にハワイに行っているのは驚きですね。
しかし、このハワイ旅行では事故無く無事にハワイに到着しています。
また、手違いでまさかのカツオだけ別の飛行機でハワイに行くという珍事件まで起こっていたのです。
ということで実際にハワイ旅行に行っていたというご報告でした。
最終回②サザエさん、人食い族の島でサバイバル
2つ目は原作漫画の最終話とされている「ひょうりゅう記」というお話。
この話は、長谷川町子氏が自ら立ち上げた姉妹社から出版されたもので、68巻に収録されています。
姉妹社から出版されたのは68巻が最後のため、ある意味この話は最終回。
ある日サザエさん、波平、カツオ、ワカメは乗っていた船が沈没し、海に漂流してしまいます。
何とか島に辿り着き、そこで生活しますが、ある時、波平とサザエが現地人に捕まってしまう。
その現地人が、なんと人食い族で2人は食べられそうになるが、機転を利かせたサザエのお陰で無事に2人は解放されます。
そして現地人から船をもらって4人は帰ることになったが、なんとこのエピソードは全てサザエさんの夢であったというオチ。

途中でカツオとワカメが出てこなくなったと思ったら、サザエさんの夢だったんですね。
怖い想いは弟、妹にはさせられないというサザエさんの優しい心が夢でも出ていたのかもしれません。
そしてこの68巻は今や幻となっているのです。
1993年に姉妹社が廃業となってからは、朝日新聞社から出版されていますが、朝日出版社版ではこの68巻が収録されておりません。
人食い族を登場させたことが原因ではないかと言われていますが、本当の理由は明確になっておりません。
内容だけ見ると普通に怖い話しですが、あくまでも漫画の世界なので、そこまで恐怖を感じることもない気がします。
そもそも漂流していること自体が一番怖いんですが・・・。
この68巻については姉妹社版の漫画としては最後ですが、特に最終回として書かれた訳ではないと思われます。
最終回③全てサザエさんの夢だった
3つ目は「サザエさん」の物語自体が全てサザエさんの夢だったというもの。
ある日、サザエさんは交通事故に遭い、何とか一命は取り留めたものの、意識は戻らず寝たきりとなってしまう。
寝たきりの状態が続いていたが、ある日奇跡的に目を覚ましたサザエさん。
看病していた母親のフネに「タラちゃんは?」と聞くがフネには「タラちゃん」の存在を知らず、サザエさんはタラちゃんがいないことにショックを受けてしまいます。
実は今まで観ていたサザエさんのストーリーは、寝たきりの状態の時にサザエさんが見ていた夢で、現実ではサザエさんは一人っ子で独身でした。
そう、弟のカツオ、妹のワカメ、息子のタラちゃん、夫のマスオさんは夢の中の存在だったのです。
夢の中の話しが現実と思い込んでいるサザエさんは、自分が目覚めたことで4人の存在が無くなってしまったことに強い自責の念を抱いてしまったのです。
ところが実はサザエさんの主治医が夢の中の夫であったマスオさんだったことが判明。
そんな2人は恋に落ちて後に結婚してタラちゃんが誕生したとか。
ですがカツオとワカメは存在しないことになり、とても悲しい最終回となったのです。
これが一連のストーリーですが、流石にこんなに長くテレビでも放送されているのに、今更カツオとワカメは存在しなかったなんて怖すぎますよね。

出来れば寝たきりから目が覚めたときに、まだマスオさんとは結婚しておらずタラちゃんも生まれてなかったくらいの設定だと良かったです。
そしたらカツオとワカメも存在していて、ハッピーエンドで終わることが出来ますね。
ですがこの話はあくまでも都市伝説。
出所も不明で、この物語自体の存在する根拠はありません。
想像するに、②のひょうりゅう記が都市伝説として語られていく中で、もっと衝撃的な夢物語へと変遷されたのでしょう。
よってこの都市伝説は作られた話しの可能性が極めて高いです。
まとめ
「サザエさん」にまつわる都市伝説は、長年多くの人々の興味を引き、様々なバリエーションで語られ続けてきました。
これらの都市伝説はどれも驚きの結末や、少し恐ろしい設定を含んでおり、一種の娯楽として人々に親しまれています。
今回はその中から最終回にまつわる3つの話をご紹介しました。
まず、「サザエさん一家が海に帰る」という都市伝説は、飛行機事故に遭遇した一家が海へと戻っていくという劇的なストーリーです。
サザエさん一家の名前が海に関連していることが、この噂に信憑性と興味を持たせたのかもしれません。
しかし、実際にはハワイ旅行を描いた30周年スペシャルで、事故なく楽しむ姿が放映されており、明らかにフィクションであることがわかります。
次に、「人食い族の島でのサバイバル」は、68巻に収録された原作漫画を元にした話です。
漂流の末に人食い族に捕まるというスリル満点な展開ですが、実はこれもサザエさんの夢という結末。
おそらく、このシリーズは最終回として意図して書かれたものではないでしょうが、その後の出版物収録が見送られたことで、さらに特別な話とされてきました。
最後に、「全てサザエさんの夢だった」という都市伝説は、一見すると舞台裏の物語のように思えます。
この説では、サザエさんが見ていた夢が元のストーリーであり、現実では彼女は独身で、家族であるはずのキャラクターが存在しないなど不穏な内容ですが、互いに繋がりのない創作の可能性が高いです。
これらの都市伝説の共通点として、日常のほのぼのとしたアニメからは想像できない非日常的な展開があり、それが逆に「サザエさん」の魅力のひとつとして受け入れられているのかもしれません。
最終回についての都市伝説は、どれも実際には信憑性はありませんが、今後も語り継がれていくかもしれませんね。
「サザエさん」という作品は単なるアニメを超え、日本の文化の一部として存在しています。
都市伝説を通じて、さらなる楽しみや驚きを味わうのも良いかもしれません。
そして、アニメ「サザエさん」は2024年10月6日の放送をもって、ギネス世界記録の「最も長く放映されているテレビアニメ番組」を更新している世界的なアニメとなっています。
現在も記録は更新され続けていて、今のところは最終回の予定も発表されておりません。
時代の変化とともにギャップが生まれているのは確かですが、そのギャップこそが視聴者にとって昔を思い出せる良い刺激になっているのかもしれません。
昔を知らない子どもに対して「昔はこんなテレビだったんだよ~」なんて会話が家庭で生まれるのも素敵ですね。
まだまだ「サザエさん」が長く続くといいですね。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました!

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