皆さんは国民的なアニメ ドラえもんに「タレント」という都市伝説となっている謎の回があることをご存知でしょうか。
1984年7月20日金曜日の19時から放送されたと言われており、目撃証言も多数あるにも関わらず、公式の記録もなく、ストーリーも意味不明な謎の回として語り継がれております。
「タレント」という文字を崩すと「死ネ」という字にも見えるということでも話題になっているようです。
果たして本当にそんな回は存在したのか、存在したとしたら実際の映像や証拠画像はあるのでしょうか?
今回は、そんな「タレント」のストーリーやさまざまな説について考察・解説していきたいと思います。
ドラえもん「タレント」の概要について解説
「タレント」のストーリーについては主に2つの説があります。
それぞれ一つずつ解説していきます。
地下世界の商店街へ行きたい
雨の降る校庭で「地下世界の商店街へ行きたい」と頼むのび太に対して、ドラえもんは4次元ポケットからあるひみつの道具を出します。
その道具は巨大な「通り抜けフープ」のようなもので、2人はフープの中へ飛び込む。
どんどん降下していく2人は、ようやく地面に着くと、照明もないのに地底とは思えないほど明るく照らされた部屋に辿り着きます。
そこにはジャイ子のような雰囲気の、ベレー帽を被った少女がいて、のび太とドラえもんに赤い封筒、インク瓶、鉛筆を手渡して、壁の中へと消えて行ってしまう。
2人は少女を追いかけて壁に向かって飛び込むと、壁を通り抜けることができたが、そこには少女はいませんでした。
代わりに警察官のような格好の男が現れ、「君たちは撮影か?撮影ならあちらだ」と指を指して案内されます。
案内された方へ進むと木琴のような板で並べられた通路を通り、その先に辿り着くと、目の前には地球のミニチュアが。
2人が地球のミニチュアを眺めていると、やがてパックリと割れて中から黒い血のような液体が流れ出し、それを見た2人は恐怖のあまり震え、抱き合って話しは終わります。
なぜのび太は急に地下世界の商店街に行きたいと言い出したのかがまず第一に気になりますね。
そして、読んで頂いて感じたと思いますが、話しの至る所で意味不明な設定があり、何を伝えたいのかが良くわからないです。
あまりの繋がりの無さに夢で見る光景に近い印象を受けました。
ただし、地球が割れて血が流れてくる・・・想像しただけで怖いですし、夢でも見たくないですね。
また、出てきた「通り抜けフープ」のような秘密の道具は名前が紹介されていないと言われています。
道具の名前紹介こそがドラえもんの醍醐味でもあるため、紹介がなかったというのはにわかに信じがたいですね。
そしてもう一つストーリーが存在します。
空き地と商店街で知らない人と会話
のび太の部屋でいつも通りのび太とドラえもんが日常会話をしているところから、いきなり空き地に場面が飛びます。
そこには知らない人が3~4人いて、また場面が飛んで、商店街で知らない人と日常会話をして終わる・・・というストーリーです。
こちらはさらに意味不明で、もし本当にこの内容が放送されていたとすると放送事故として都市伝説になっているのかもしれません。
または頭の片隅にあった1ページがすり替わって、放送されていた映像と勘違いした可能性もあるかもしれませんね。
ドラえもん「タレント」のさまざまな説について
続いてはファンの間で語られているさまざまな説について解説していきます。
混同してしまった説
ドラえもんの他の回や、他の作品と混同して出来た話しではないかという説があります。
1984年7月20日金曜日の19時から放送されたのは、当時の番組表によると「のび太の童話旅行」と「四次元ポケットのスペア」の2話になっております。
そのため、「タレント」という回は存在せず、他の話しと混同してしまっているのではないかということになりますね。
では具体的にはどの話しと混同してしまっているのか、考察していきます。
「地球製造法」
「地球製造法」は1984年に放送された話しで、内容を簡単に解説します。
作ったプラモデルを持ってきて見せ合いをしたジャイアン、スネ夫、のび太の3人。
のび太が持ってきたものが簡単に作れてしまうものであったため、「程度が低い」などど馬鹿にするジャイアントとスネ夫。
馬鹿にされたことが悔しいのび太は「今凄いものを作っている」とありもしないことを口から出任せのように話してしまう・・・。
ドラえもんではこの展開は凄く多い気がしますが、負けじと虚勢を張るのび太は嫌いじゃないです。
結局ドラえもんに頼ることになり、「地球セット」という地球を作る道具を出してもらう。
のび太はパーツを組み合わせて地球を作っていき、自分の作った地球の地に降り立つ。
降りた地は恐竜がいる時代で、自分が作った地球だけに神になった気でいたのび太だったが、部屋に入ってきたママがただの粘土だと思い、地球を捨ててしまうという事件が発生。
パーツが分離されてしまったため、出口が無くなり元の世界に戻ってこれなくなった2人。
結局は捨てられた地球を車が跳ねて、奇跡的に部屋に戻ってきてのび太たちも無事戻れた、という話しです。
注目すべき点はこの地球セット。
そうです、地下世界での地球儀と同じで、この部分が混同してしまったのではないでしょうか。
とは言うものの、ストーリーとしては全くの別もので、混同したということはやや考えづらい気がします。
「地底の国探検」
「地底の国探検」は1998年に放送された話しで、内容を簡単に解説します。
宝探しのため、「ここ掘れワイヤー」という道具で宝探しをしていると地下に町のようなものがあることがわかった。
そこでドラミが「地底探検車」という地中に潜れる道具を出して地中深くへと潜っていく。
かなり掘り進んでいくとそこには巨大な地底都市が広がっていた、というもの。
この話しについては、巨大な地底都市に行くというところが「タレント」の地下世界の商店街に行くというところで確かに状況が似ています。
地底への行き方こそ違いますが、ドラえもんで良く出てくる移動手段の「どこでもドア」や「通り抜けフープ」へ無意識に変換されることはあるのかもしれません。
キテレツ大百科「ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」
当時放送されていた別のアニメと混同してしまったという説もありますので、そちらについても考察していきます。
「ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」は1989年に放送された話しで、内容を簡単に解説します。
巨大迷路のアトラクションにやってきたキテレツ達は競争しながらゴールを目指します。
コロ助はみよちゃんの後を追いかけるも、みよちゃんは笑いながら壁に吸い込まれるように消えてしまう。
実は次元のほころびから偶然にも抜けてしまい4次元世界に行ってしまったが、キテレツ大百科に載っていた「異次元刀」という道具を作って、4次元にキテレツ達が助けに行くという話。
壁に吸い込まれるように消えて行くシーンは「タレント」と似ているため、ここが混同した可能性はあります。
また、この4次元にいた4次元人が怖かったという声や、キテレツ達が4次元人に刀で切り裂いていくシーンが印象深かったという声もあり、これらの印象深いシーンが混同したのかもしれません。
実はこの話も4次元に行ったキテレツ達は、4次元人に帰ることを許されず元の世界に危うく帰れないところでした。
その部分が先ほど紹介した「地球製造法」と似ているため、混同してもおかしくはないのかもしれません。
混同説まとめ
ここまで混同説を考察してきましたが、いろんな話しが混ざってタレントという話しが生まれたという意見もあります。
例えば地底に行くシーンは「地底の国探検」、壁を通り抜けるシーンは「ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」、地球儀のシーンは「地球製造法」など、やや強引ではありますが、組み合わせることでタレントという回が頭の中で生まれたということは説明がつきます。
ただし、放送された年もそこまで近くないため、混同してしまったというよりかはタレントという都市伝説が生まれた後に、ストーリーに合わせる形で誕生した説の可能性が高いのではないでしょうか。
もちろん再放送などで同時期に見たということも可能性としてはありますが、だとしてもタレントが放送されたと言われる1984年より後に放送されている回もあるため、こじつけと言わざるを得ません。
ドラえもん「ゆめの町ノビタランド」の放送事故?
「ゆめの町ノビタランド」は1979年に放送されています。
撮影すると、その建物を再現したミニチュアができる「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」という道具を使ってミニチュアの町「ノビタランド」を作るという話。
この「ノビタランド」という文字が一部の地域で電波障害により歪んで見えた結果、「タレント」と見えたのではないかとの説になります。
「タレント」の放送時は作画が崩壊しており、線が曲がって見えたり、顔が歪んでいたとの証言もあるため、文字を読み間違えたということも可能性としてはあるのかもしれません。
ただし、たとえ歪んで見えて「タレント」と読めたとしても、それが都市伝説になるほどのインパクトは感じないため、やや違うような気がします。
ビデオテープの重ね録りが原因?
当時はDVDではなくビデオテープが一般的で、レンタルビデオ店から借りたドラえもんのビデオが、重ね録りやいたずらによっておかしくなっていて、それが都市伝説「タレント」という説です。
この説については、かなり可能性が低く、もし重ね録りやいたずらされていたとしたら、多くの人が借りる前に異変をレンタルビデオ店に伝える人がいるはずです。
そもそも店側も返却後に確認するはずですよね。
なのでこちらも都市伝説が生まれた後に、後付けで出来た説の可能性が高いと考えます。
放送に間に合わなかった?
ドラえもん「タレント」は、放送する予定の回の収録が間に合わず、急遽放送されたものという説があります。
ドラえもん「タレント」が放送されたとされる1984年には、脚本が間に合わずに収録が中止されてしまった回が一度だけあったとのこと。
その時に急遽放送されたのがタレントだったのではないかと言われています。
もし収録が間に合わずに代わりに放送されたのであれば、公式に発表されそうなので意図的に放送されたというのは可能性としては低そう。
ただ、あまりにも完成度の低いものを放送してしまい、公式発表すら出来ないということもあるのかもしれません。
NGやカットシーンを放送してしまった?
ドラえもん「タレント」はNGやカットシーンを誤って放送されてしまったものだという説もあります。
支離滅裂な内容だっただけに、NGシーンやカットシーンだったとするならば辻褄が合いますね。
ただし、もし間違って放送されたのであれば、間違えであったことが発表されるのではないでしょうか。
放送局としてもデメリットでしかないですからね。
ドラえもん「タレント」実際の映像は?証拠画像は?
ここまで「タレント」の概要やさまざまな説についてお話ししてきましたが、気になるのが実際の映像や証拠画像は残っているのか?ということになりますね。
結論から言うと実際の映像も証拠画像もありません。
証拠画像については以前2chに上がっていたという噂もありますが、今現在は見ることができません。
何らかの理由で消されてしまったのか、そもそも実在していなかったのかは定かでありませんが、今見ることができないからこそ都市伝説になっているのです。
果たして今後映像や画像が出てくることがあるのでしょうか。
ドラえもん「タレント」=「死ネ」は文字の崩れが原因?
放送の冒頭で「タレント」というタイトルが崩れて表示されて、それが「死ネ」に見えたとのこと。
確かにかなり崩すと「死ネ」に見えなくもないですが、少し強引な気もします。
ただし、文字が似ているというだけでも不気味さは感じるため、このことが都市伝説として広まっている理由の一つかもしれません。
ドラえもん「タレント」の考察まとめ
それではここまで考察した内容についてまとめていきたいと思います。
さまざまな説が浮上していますが、「タレント」が放送された可能性は低いと考えられます。
まず放送された日時が明確になっていますが、番組表では別の2作品が放送されたことになっています。
放送事故でも起きない限りは別の内容が放送されることもなく、もし放送事故が起こっていたとしても、ストーリーまで意味不明な内容になることは考えづらいです。
また、さまざまな説の中で最も辻褄があうのが、他の回や他のアニメと混同してしまったというもので、もし本当に混同してしまったとするなら、ただの記憶違いに過ぎません。
もし記憶違いを引き起こすよう操作されていたとするならかなり怖い話しになりますが、今のところそのような投稿や考察は出てきていないようです。
以上のことから都市伝説となったのは、小さな説がいろんな人によって情報が付け加えられたり、変換されて出来た作り話しの可能性が高いのではないでしょうか。
ここまで「タレント」について考察してきましたが、皆さんは本当に存在したと感じたでしょうか。
信じるか信じないかはあなた次第です!!
ドラえもん「タレント」再現動画
ドラえもん「タレント」の実際の映像は残っておりませんが、YouTubeで検索するといくつか再現動画がアップされていますので、「ドラえもん 都市伝説 タレント」で是非検索してみてください。
ドラえもんには他にも都市伝説が存在する?
今回は「タレント」という都市伝説を紹介しましたが、ドラえもんには「行かなきゃ」という都市伝説が存在します。
別の記事で「行かなきゃ」についても考察しておりますので、是非そちらもチェックしてみてください。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。
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