【山羊の呪い】シカゴ・カブスを108年も苦しめた伝説の呪いについて解説

山羊の呪い スポーツ

MLB(メジャーリーグベースボール)屈指の強豪として知られているシカゴ・カブスですが、実は過去に71年もの間、ワールドシリーズに進出出来なかった暗黒の時代がありました。

2015年から2018年まで4年連続でプレーオフに進出し、2016年にはワールドシリーズを制覇した強豪チームだけに、にわかに信じがたい出来事です。

しかし、この出来事には山羊(ヤギ)の呪いがかかっていると言われており、実際に勝てない時期が続いたことにより、ファンの中で大きな話題を生みました。

今回は、そんな「山羊の呪い」について解説していきます。

シカゴ・カブスは鈴木誠也選手や今永昇太投手も在籍しているため、気になる方も多いのではないでしょうか。

それでは早速解説していきますので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

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山羊の呪いの概要

山羊の呪い

「山羊の呪い」は、別名「ビリー・ゴートの呪い」とも呼ばれるシカゴ・カブスにまつわる伝説で、ちょっと面白い逸話です。

この呪いは、1945年のワールドシリーズ中に起こった出来事に由来します。

その年、カブスは98勝56敗という圧倒的な成績でワールドシリーズに進出し、デトロイト・タイガースと対戦することになります。

しかし、その一戦でのある出来事が原因で長い間優勝から遠ざかることに。

その出来事とは、「ビリー・ゴート・タヴァーン」というバーのオーナーのビリー・シアニスという人物が、自身のペットの山羊を連れて試合を観戦に訪れた際に起こりました。

カブスの本拠地であるリグレー・フィールドのスタッフは、この山羊の臭いが他の観客を不快にさせるという理由で、シアニスと山羊をスタジアムから追い出しました。

これに腹を立てたシアニスが「カブスは2度と(WSで)勝てないだろう。リグレー・フィールドにヤギの入場が許されるまで、カブスは2度とワールドシリーズに勝てない」と言ったことで呪いがかかったと言われています。

そもそも山羊を連れて野球観戦に行くという発想が、今でいうと考えられないですね。

余談ですが、シアニスは山羊の分も含めてちゃんと2枚分のチケットを買っていたそうです。

また、シアニスが山羊を連れてリグレー・フィールドに行くのはこれが初めてではなかったようです。

今まで普通に入れてたのに、急に入場を断られたら、捨て台詞に「二度と勝てない 」と言い放つのも無理はないようにも思えます。

個人的には、確かに野球観戦に行ってとなりに山羊がいたら、やっぱり嫌ですけどね。

スタジアムから追い出したスタッフの判断は賢明だったと思います。

 

山羊の呪いの影響は?

実際にこのシリーズでも、2勝1敗で勝ち越していましたが、第4戦の山羊の一件があってから、逆転されて優勝を逃しています。

呪いがかけられたとされる1945年以降、カブスは暗黒時代へと突入し、プレーオフにすら進めなくなってしまいます。

ようやく1984年にプレーオフに進出したものの、ワールドシリーズに進出することなく敗退しています。

以降もプレーオフまで進むことはあるものの、ワールドシリーズに進出することなく敗退。

山羊の呪い以降、長きに渡りワールドシリーズに進出できないというジンクスが生まれてしまいました。

山羊の呪いの影響かどうかは分かりませんが、実際にワールドシリーズに進出できない時期が続いたことは事実となります。

個人的にはこの「山羊の呪い」がいつから言われ始めたのかが気になり調べてみましたが、詳細な時期は特定できませんでした。

もし1945年のワールドシリーズでの一件の直後に、すでに「山羊の呪い」が取り上げられていたとするなら、選手やファンの意識の部分で少なからず影響があったのかもしれません。

また、この低迷している時期にも「山羊の呪い」を象徴する出来事が起こっています。

スティーブ・バートマン事件

2003年、カブスは主砲サミー・ソーサを擁し14年ぶりに地区優勝を飾り、ナショナルリーグ優勝決定シリーズに進出。

マーリンズ相手に3勝2敗とあと1勝でワールドシリーズ進出となった第6戦で事件は起こります。

3-0とリードして迎えた8回にレフトファールエリアに飛んだ打球を左翼手が捕球しようとしたところ、ファンが手を出して捕球を妨害してしまったのです。

結局判定はファールとなり、それをきっかけにカブスは大量8失点を喫して逆転負け。

さらに第7戦も落として1945年以来のワールドシリーズ進出を叶えることが出来なかったのです。

そしてこの妨害してしまったファンこそがスティーブ・バートマンで、当時日本でも話題となりました。

日本の球場ではネットが施されていることが多いため、あまりこういったシーンは見受けられませんが、アメリカではネットがなく触れてしまうだけに、稀に発生してしまっています。

2006年のWBCでの日本対韓国の試合でも、ライトを守っていたイチロー選手がボールを捕球しようとしたところ、韓国のファンが妨害したのは有名な話しですね。

日本でもホームランボールや、ファンサービスの一環で行われるサインボールには、キャッチしようと人が群がるのはよく見る光景です。

私も少年時代は必死にボールを捕ろうとしていたので、この捕りたい気持ちは痛いほどわかります。

ただ奇しくも相手チームの妨害をしてしまうと、単に邪魔をしたかっただけという風に捉えられてしまうのが世の常。

この試合でもこの一件で流れが変わってしまった可能性は高く、結果的には山羊の呪いは続くことに・・・。

山羊の呪いを象徴する“マーフィー”の活躍

山羊の活躍

2015年のカブスはワイルドカードでプレーオフに進出。

プレーオフでも順調に勝ち進み、優勝決定シリーズでニューヨーク・メッツと対戦することに。

実は1989年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」2015年にカブスがワールドシリーズ制覇をする予言がされており、映画の再現にファンは大きな盛り上がりを見せていました。

そんなシリーズの中で「山羊の呪い」が本当であること信じて疑わない出来事が起こります。

それは相手メッツに現れたシリーズのラッキーボーイことマーフィー選手

彼はシーズンでは14本塁打と、ホームランを量産する選手ではなかったのですが、なんとこのシリーズではカブス相手に4試合で4本塁打と大暴れ。

マーフィーの活躍によりカブスは4連敗で、またしてもワールドシリーズ進出を逃します。

そしてこのマーフィーですが、実は1945年に山羊の入場を断られたシアニスが飼っていた山羊の名前が「マーフィー」だったのです。

まさに山羊(マーフィー)の呪いが発動した瞬間で、多くの野球ファンを驚かせた物語となったのです。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」も「山羊の呪い」の前では成すすべもなく儚い夢と散りました。

さすがにこの出来事については偶然だとしても出来すぎています。

本当に山羊の呪いが影響していると思わざるを得ない出来事です。

兎角、都市伝説やジンクスにおいては「こぎつけ」が多い印象を受けますが、ここまでしっくりくるともはや認定しても良いレベルだと思います。

面白半分で言われ始めた「山羊の呪い」が伝説になった瞬間だと言っても過言ではないですね。

 

山羊の呪いが解けた瞬間~ムネの呪い~

呪いが解けた瞬間

長らく呪いは続くことになりますが、2016年にその呪いが終わりを告げます

2016年、カブスはついにワールドシリーズ進出を果たします。

1945年の「山羊の呪い」以来、実に71年ぶりの快挙を遂げたのです。

そして、その勢いは止まることなく、ワールドシリーズでもロサンゼルス・ドジャースを下して

108年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たします。

この快挙により、71年続いた「山羊の呪い」はようやく解かれたのです。

この勝利は、長年にわたるファンの忍耐とチームの努力が実を結んだ瞬間であり、感動的な出来事となりました。

今となっては面白いエピソードかもしれませんが、当時のファンにとっては呪いを信じざるを得ない状況だったかもしれません。

また、当時カブスに所属していた川崎宗則選手の発言も注目を集めています。

“ムネ”こと川崎選手は、ワールドシリーズで出場することはありませんでしたが、チームに帯同しており、「ヤギの呪いとか言われたけど『ムネの呪い』の方が恐ろしかったんでしょうね」と語っています。

日本でもメジャーでもムードメーカー的存在の“ムネ”らしいユーモアのあるコメントですね。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」でも勝てなかった「山羊の呪い」に「ムネ」が勝った歴史的な瞬間です!

山羊の呪いとチーズバーガー

山羊とチーズバーガー

ちょっと余談になりますが、シアニスが経営してた「ビリー・ゴート・タヴァーン」は元々バーが原型だったようですが、チーズバーガーが有名な店となって今も経営が続いています。

”カブスの山羊の呪い”で有名な店として人気を博しているようです。

トリップアドバイザーの評価・口コミをみてみると、1500件以上の口コミがあるにも関わらず、評価が4.0と高評価を得ています。

野球好きの方や、山羊の呪いを知っている人は、シカゴに旅行に訪れた際に寄っていることは間違いなさそうですね。

シカゴに行く機会があれば、立ち寄ってみるのも良いかもしれません。

山羊の呪いについての考察

ここまで山羊の呪いについて解説してきましたが、この呪いについて私なりに考察していきたいと思います。

まず初めに、山羊の呪いが発動したと言われている1945年より前の成績を見てみると、1939年~1944年6年間ではリーグ4位~6位で推移しています。

また、その後についても1946年にリーグ3位だったものの、1947年~1966年までは良くて5位という暗黒の時代となっています。

もちろん、球団数の増加や、地区制が導入される前だったため、なかなかリーグで上位に入るのが簡単では無かったことも関係はしていると思います。

ですが、ここまで勝てない時期が続くと、それが呪いの影響だと言ってしまえばそれまでですが、単純にチームとしての力が無かったと言うことだと思います。

それに輪をかけて、「山羊の呪い」が有名になってしまったが故に、カブスに移籍したがる選手も少なかったのではないでしょうか

一方で、1946年~1966年の期間でチームは低迷していたにも関わらず、延べ3人がシーズンMVPを獲得しているのです。

スター級の活躍をした選手がいたにも関わらず全く上位争いに食い込めなかったことを考えると、呪いのせいにしたくなる気持ちもわかります。

 

MLBにまつわるその他の呪い

MLBには「ブラックソックスの呪い」以外にも有名な呪いが存在します。

バンビーノの呪い

野球の神様とも言われているベーブ・ルースの移籍が発端で誕生した呪いと言われています。

ベーブ・ルースを排出したボストン・レッドソックスは86年間もワールドシリーズ制覇から遠ざかってしまったため、ベーブ・ルースの相性だった「バンビーノ」の呪いという伝説が生まれました。

バンビーノの呪いについてはこちらの記事で解説しております。

【都市伝説】バンビーノの呪い~86年の苦戦と歓喜の瞬間~
皆さんはMLB(メジャーリーグベースボール)に「バンビーノの呪い」が存在していたことをご存知でしょうか。1920年に呪いがかかって以降、なんとボストン・レッドソックスは86年もの間ワールドシリーズで優勝することができませんでした。果たしてこ...

ブラックソックスの呪い

ワールドシリーズでの八百長事件で「ブラックソックス」と揶揄されたシカゴ・ホワイトソックス。

そこから88年間もワールドシリーズ制覇を果たせなかったため、ブラックソックスの呪いと言われています。

ブラックソックスの呪いについてはこちらの記事で解説しております。

ブラックソックスの呪い~黒い歴史と栄光への88年~
皆さんはメジャーリーグベースボール(MLB)に恐ろしい呪いの伝説があることをご存知でしょうか。「ブラックソックスの呪い」は野球界に衝撃を与えた事件です。1919年、八百長事件により「ブラックソックス」と揶揄されたシカゴ・ホワイトソックス。永...

 

まとめ

まとめ

シカゴ・カブスにまつわる「山羊の呪い」について解説してきました。

スポーツの世界では「ファンの皆さんの応援が力になりました」と語る選手も多く存在しますが、これが本当だとすると、呪いの影響は少なからずあったのかもしれません。

プレーしている選手は自チームが勝つことを信じてプレーしていると思いますが、観戦しているファンの頭にはピンチの場面で「呪い」がよぎり、応援に影響が出ていた可能性もあります。

そういった心理的な部分でも「見えない呪い」がかかっていたのかもしれません。

現在、シカゴ・カブスには鈴木誠也選手、今永昇太選手の日本人2人が所属しています。

2025年の3月18日~19日に開催される開幕戦では、大谷翔平選手、山本由伸選手、佐々木朗希選手擁するドジャースと東京ドームで対戦となります。

日本が誇るスター選手同士の試合に目が離せませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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