選抜高校野球に導入されている21世紀枠で出場する高校がなかなか甲子園で勝利することができないという話しを耳にします。
そこで歴代の戦績について深掘りしていきたいと思います。
また、21世紀枠で出場した高校の最高成績はどうなっているのでしょうか?
果たして優勝した高校は存在するのでしょうか?
今回は選抜高校野球における21世紀枠の仕組みから、過去の戦績について解説していきたいと思います。
選抜高校野球における21世紀枠とは?
選抜高校野球における21世紀枠とは、特定の条件を満たす高校に対して、通常の競技成績のみでは選ばれにくいチームに与えられる特別な出場枠のことです。
2001年にこの制度が導入され、高校野球の裾野を広げることを目的としています。
具体的には、学業とスポーツの両立を達成している学校や、地域への貢献活動を行っている学校、限られた環境で努力を続けている学校などが選考の対象となります。

もちろん、秋季大会での成績上位は絶対条件です!
この21世紀枠の導入によって、全国の高校野球の活性化が図られています。
そして何よりも、野球の技術力だけでなく、教育や地域貢献といった多面的な要素を評価することが新たな高校野球の可能性を広げています。
21世紀枠の存在は、ただ単に強いだけではなく、教育的価値を高める面でも意義があり、各高校でもさまざまな取り組みがされているようです。
また、この枠で出場した学校が強豪校に勝利するなど、予想外の活躍を見せることも。
一方で、選考基準が複雑で分かりにくいという意見や、一般選出校との実力差が指摘されており、21世紀枠が不要との声もあがっています。
個人的には良い制度だと思うので、実力差を埋められるような支援や、選考基準をより明確にするなど改善されることを期待したいです。
21世紀枠の最高成績は?
実力差が指摘されている21世紀枠ですが、過去の成績はどうだったのでしょうか?
21世紀枠の過去の出場校と結果
導入された2001年から2024年までの出場校と結果をまとめます。
2001年(第73回)
・安積高校(福島):初戦敗退
・宜野座高校(沖縄):ベスト4
2002年(第74回)
・鵡川高校(北海道):2回戦敗退
・松江北高校(島根):初戦敗退
2003年(第75回)
・柏崎高校(新潟):初戦敗退
・隠岐高校(島根):初戦敗退
2004年(第76回)
・一関第一高校(岩手):初戦敗退
・八幡浜高校(愛媛):初戦敗退
2005年(第77回)
・一迫商業高校(宮城県):2回戦敗退
・高松高校(香川):初戦敗退
2006年(第78回)
・真岡工業高校(栃木):初戦敗退
・金沢桜丘高校(石川):初戦敗退
2007年(第79回)
・都留高校(山梨):初戦敗退
・都城泉ヶ丘高校(宮崎):初戦敗退
2008年(第80回)
・安房高校(千葉):2回戦敗退
・成章高校(愛知):2回戦敗退
・華陵高校(山口):3回戦敗退
2009年(第81回)
・利府高校(宮城):ベスト4
・彦根東高校(滋賀):初戦敗退
・大分上野丘高校(大分):初戦敗退
2010年(第82回)
・向陽高校(和歌山):2回戦敗退
・川島高校(徳島):初戦敗退
・山形中央高校(山口):初戦敗退
2011年(第83回)
・大館鳳鳴高校(秋田):初戦敗退
・佐渡高校(新潟):初戦敗退
・城南高校(徳島):2回戦敗退
2012年(第84回)
・女満別高校(北海道):初戦敗退
・石巻工業高校(宮城):初戦敗退
・洲本高校(兵庫):初戦敗退
2013年(第85回)
・遠軽高校(北海道):2回戦敗退
・いわき海星高校(福島):初戦敗退
・益田翔陽高校(島根):初戦敗退
・土佐高校(高知):初戦敗退
2014年(第86回)
・小山台高校(東京):初戦敗退
・海南高校(和歌山):初戦敗退
・大島高校(鹿児島):初戦敗退
2015年(第87回)
・豊橋工業高校(愛知):初戦敗退
・桐蔭高校(和歌山):初戦敗退
・松山東高校(愛媛):2回戦敗退
2016年(第88回)
・釜石高校(岩手):2回戦敗退
・多治見高校(岐阜):初戦敗退
・中村高校(高知):初戦敗退
2017年(第89回)
・不来方高校(岩手):初戦敗退
・長田高校(兵庫):初戦敗退
・小豆島高校(香川):初戦敗退
2018年(第90回)
・由利工業高校(秋田):初戦敗退
・膳所高校(滋賀):初戦敗退
・伊万里高校(佐賀):初戦敗退
2019年(第91回)
・石岡第一高校(茨城):初戦敗退
・富岡西高校(徳島):初戦敗退
・熊本西高校(熊本):初戦敗退
2020年(第92回)
・帯広農業高校(北海道):勝利
・磐城高校(福島):敗戦
・平田高校(島根):敗戦
※大会中止のため交流試合の結果
2021年(第93回)
・八戸西高校(青森):初戦敗退
・三島南高校(静岡):初戦敗退
・東播磨高校(兵庫):初戦敗退
・具志川商業高校(沖縄):2回戦敗退
2022年(第94回)
・只見高校(福島):初戦敗退
・丹生高校(福井):初戦敗退
・大分舞鶴高校(大分):初戦敗退
2023年(第95回)
・石橋高校(栃木):初戦敗退
・氷見高校(富山):初戦敗退
・城東高校(徳島):初戦敗退
2024年(第96回)
・別海高校(北海道):初戦敗退
・田辺高校(宮崎):初戦敗退
ここ最近は3年連続で21世紀枠で出場した高校は初戦で敗退しています。
21世紀枠の最高成績
21世紀枠で出場した高校の成績を紹介しましたが、ここまでの最高成績は、2001年の宜野座高校と2009年の利府高校が果たしたベスト4です。
ちなみに2001年の宜野座高校は準決勝で仙台育英高校に7-1で破れ、その仙台育英高校も決勝で常総学院高校に敗れています。
2009年の利府高校は準決勝で花巻東高校に5-2で破れ、その花巻東高校も決勝で清峰高校に敗れています。
21世紀枠で出場した高校はいまだに決勝の舞台には立てていないのです。
今までの成績は、全80試合で17勝63敗の勝率は.270ほどになります。
(交流試合は含んでおりません。)
2001年と2009年のように、惜しいところまで行っている年もある一方で、やはり初戦敗退してしまう高校が多いようです。
特に2010年以降は勝っても初戦のみで、2勝以上できる高校が出ておりません。
この期間は6勝43敗で勝率は.140とかなり厳しい戦いを強いられております。
甲子園の舞台で勝ち上がっていくためには、複数の投手が必要になってきており、甲子園常連の強豪校に比べると、なかなか揃えるのが難しいですね。
特に近年では、選手の怪我のリスクを低減するために、球数や連投を気にする指導者が増えてきております。
そんな中で、今後はベスト4を越えて初めての決勝の舞台に立つ21世紀枠の高校は現れるのでしょうか。
今後に期待したいと思います!
2025年(第97回)選抜高校野球の21世紀枠
2025年の第97回大会の21世紀枠はどのようになっているのでしょうか。
1月24日に2校が選出されました。
横浜清陵高校(神奈川)と壱岐高校(長崎)の2校となりました。
横浜清陵高校は秋季大会で強豪の東海大相模高校に準決勝で敗れたものの、善戦をみせています。
選手が各部門に分かれてデータ分析を行うなど自主性を重んじるチームです。
強豪ひしめく神奈川県で頭角を現しているだけに、甲子園での活躍も期待したいです。
壱岐高校は秋季大会で過去に甲子園出場経験のある島原中央高校、創成館高校、大崎高校の3校に勝利しています。
壱岐市は離島のため、島外へ出るのにも費用がかかり、練習試合の機会も限られています。
そんな条件の中、秋季大会では県準優勝と素晴らしい成績を残しているので、是非とも甲子園でも歴史的な勝利を飾って欲しいです。
また、今回残念ながら選出されませんでしたが、下記が最終選考まで残った各地区の高校です。
北海道
・釧路江南高校
釧路市にある道立校で秋季大会は北海道でベスト8。
東北
・久慈高校
岩手県久慈市ある県立校で秋季大会は県3位。
関東・東京
・横浜清陵高校
神奈川県横浜市にある県立校で秋季大会は県ベスト8。
東海
・名古屋たちばな高校
愛知県名古屋市にある私立校で秋季大会は県3位。
北信越
・小松工業高校
石川県小松市にある県立校で秋季大会は県準優勝。
近畿
・山城高校
京都府京都市にある府立校で秋季大会は府ベスト4。
中国
・大田高校
島根県大田市にある県立校で秋季大会は県ベスト4。
四国
・高松東高校
香川県高松市にある県立校で秋季大会は県ベスト4。
九州
・壱岐高校
長崎県壱岐市ある県立校で秋季大会は県準優勝。
まとめ
選抜高校野球の21世紀枠について解説してきました。
2001年から始まった制度になりますが、21世紀枠で出場した高校が優勝できていないというジンクスは続いております。
甲子園に出場する高校は、そもそも強豪校ばかりなので、勝ち上がって行くことすら難しいのが現状となっています。
ですが、過去には2度ベスト4まで勝ち上がった高校が存在し、あと一歩で決勝の舞台というところまで来たのも事実です。
是非このジンクスを打ち破って、感動的な優勝を飾る日が来ることを楽しみにしたいと思います。
2025年の選抜高校野球も楽しみですね!
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